「視覚障害者の歩行の自由と安全を考えるブルックの会」(ブルックの会)は、1999年から大阪を拠点に活動している市民団体です。視覚障害者の駅ホームからの転落に関わる調査の実施や学習会の開催に取り組んでいます。
私たちは、移動環境の整備・改善により、障害の有無を越えた「誰もが自由に安心して移動できる街」の実現を目指しています。

運営委員

代表:加藤俊和(かとう・としかず)
副代表:青木慎太朗(あおき・しんたろう)、佐木理人(さき・あやと)
事務局長:山田ひろみ(やまだ・ひろみ)
他7名

「ブルックの会」これまでの歩み

1995年、大阪市営地下鉄天王寺駅で視覚障がい者の駅ホーム転落事故が起きました。

当時大学生だった佐木理人さんは、市営地下鉄御堂筋線天王寺駅で下車し、改札につながる上り階段に向かって歩いていました。しかし、頭の中にあった下車位置と実際の下車位置とが異なり、ホームの端まで進んでいったのです。その後、ぶつかったホーム端の壁を改札につながる階段裏の壁と誤認し、動き始めた電車と接触。線路わきに飛ばされ、頭と手足に重傷を負いました。

現在はホームドアが設置されている天王寺駅には、当時、ホーム端に転落を防止する固定柵はありませんでした。転落事故の再発を防ぐため、大阪市営地下鉄にホーム端への転落防止柵設置を要望しましたが、聞き入れられませんでした。

1999年4月、佐木さんは大阪市を相手どり、自身の転落事故現場の早期改善を求めて大阪地裁に提訴したのです。そこで、この佐木訴訟を支援する会として結成されたのが「視覚障がい者の歩行の自由と安全を考えるブルックの会」です。

佐木訴訟は2001年に第1審で敗訴しましたが、同年、大阪高裁に控訴しました。 控訴審が行われ、その結果2003年6月に和解が成立、7月には大阪市営地下鉄天王寺駅の事故現場に転落防止柵が設置されました。

このように、「ブルックの会」は、当初は佐木訴訟を支援するための学習会や調査活動が中心でしたが、佐木訴訟の和解後も駅ホームを中心に視覚障害者の歩行の自由と安全を訴える活動に取り組んでいます。

ブルックの会結成から現在にいたるまでの活動詳細について(年譜)(準備中)