踏切の視察を行いました
ブルックの会では、奈良県内の踏切内に今年新たに設置された誘導設備を確認するため、2023年9月3日、運営委員と介助者で2か所の現場を訪れました。その内容をご報告します。
メンバーは、全盲1人、弱視2人、晴眼者5名の計8人です。 まず、JR和歌山線香芝駅近くの「南馬場踏切」を視察しました。単線の踏切(幅9.5メートル、長さ7.2メートル)で、踏切の端に区切られた2メートル弱の歩道があり、踏切の入り口と出口には誘導用の点字ブロックがつながり、手前には警告用の点字ブロックが段状に敷設されていました。踏切内には、横断歩道上のエスコートゾーンよりやや幅広で白い突起が設置されていましたが、「(突起が低く)足裏での判別が難しいのでは」という声もありました。
次に近鉄橿原線八木西口駅そばの「第1号踏切」を視察しました。複線の踏切(幅12.8メートル、長さ8.4メートル)で、歩道は幅約2メートルです。踏切内の中央には内方線付きの警告用点字ブロックが設置されています。踏切に向かって誘導用の点字ブロックが敷設されているほか、踏切の入口と出口には警告用の点字ブロックが付いています。踏切内の内方線付きの警告用点字ブロックは、踏切の手前の点字ブロックから約50センチ途切れていました。そのため、「分かりにくい」といった声があった一方、「踏切内に設置された内方線付きの警告用点字ブロックをたどれば、わたりやすいのでは」といった感想もありました。
現在、踏切内の誘導用設備については、国土交通省のガイドラインに明確な規定がないため、さまざまな形の設置例が出てきています。
ブルックの会では、今後も各地の設置状況注視しつつ、その有効性や課題について検証を続けていきたいと考えています。